言い訳じゃないんだってば(1999年12月)

日記のインデックス (11月以前の日記)|
■歯科の治療技術はこの30年でどれだけ進歩したのだろうか(12/29)
■親しらずを押して、日本あっちこっちめぐり(12/16)
■「お受験」「腎臓売らんかい」「個人情報」についての個人的考察(12/5,2)



12月31日(金)
 昨30日、事務所掃除のあとゲラを1件届けて、仲間ウチの蕎麦屋ツアー。抜歯後のアナがぶよぶよと柔らかく、ずきずきするので飲まないつもりだったのに、つい二軒目で飲んで痛みは倍加するも飲み続けるうちそれ以上は強くならない痛みに気が大きくなって、そのまま麻雀大会突入。
 あー、今朝は早よからずきずき疼く。あほじゃ。


12月29日(水)
 午前中、懸案の親知らずを抜歯。抜歯自体はあっけなく、「はい、ゆすいでください」と言われてまだ途中かと思ったらもう抜かれていた。考えてみれば以前の抜歯の恐怖体験は30年以上前だから、道具や技術が進歩していないはずはない。怖くて周囲を見てなかったのだが、大工道具のようなペンチ類はなかったし。
 30年前といえば万博の帰り、山陽本線から分岐し海沿いを回る呉線に乗ったら蒸気機関車が走っていたし、今もそのままのカタチと仕組みで身の回りにある電化製品は電球(!)ぐらいで、昭和は遠くなりにけり。

 とはいえ麻酔がきれてくると、じわじわと心身にダメージが効いてくるぼーっとする痛み。今日は早々に店じまいして帰ろう。事務所の年末(大)掃除は明日。

12月27日(月)
 げ、年賀状の印刷がまにあわん。例年通り版下をイラストレーターで作って、印刷を例年通りの出力屋さんに頼んだら「6月でリソグラフ(簡易印刷)はやめました」とのこと。プリントショップをいくつか問い合わせたが、ピンチ。
「元旦に着かないなら意味がない!!!」と最初に勤めた出版社で隣の編集部(あーよかった)の編集長が怒っていたが、3日4日でもおれは嬉しいけどね。会社へ出すより自宅へ出す方がありがたみがあることはビジネスマナーの一種だと思うが、元旦に着かないと怒りそうな人には出さないようにしよう(?)。

 この期におよんで打ち合わせ3件、オマケにゲラまででてきてしまった。くっそー住所録DBを手入れしているヒマがない。


12月24日(金)
 この日のイメージが華やかなだけに気恥ずかしいのだが、きょうはおれの誕生日である。
 やっと(!?)おれも40歳。年齢だけ見ればいい歳こいた大人である。OLさんにカチョーとかいわれてたり、部下に突き上げられたり、会社潰れたり、リストラ喰らったり、単身赴任したり、接待でゴルフ行ったりフーゾク行ったりして戦っているはずなのだが(すみません、イメージ貧困で)…。
 ちなみにヤン坊マー坊も40歳らしい。クルマのローバー・ミニもたしか昭和34年イギリス生まれのはずだ。などとのんきなことを書いているが、気がつけば重厚とか金満とかカケラもないっす。

12月23日(木)
 白髪三千丈、の意味で「キャプション100コ」などと言ったりするが、昨日きょうでホントに書いた。やればできる。ってゆーかぁ、根気があればできるんだぁってゆー感じ。

 話は変わって切手集め、トレカ集めの喜びの一つに「おれ、それもってるもんねー」という気分がある。結構無邪気でいい感情だと思うのだが、大人の知識や言い訳で理論武装すると美しくない気がする。ま、カッコのつけかた、美意識の問題で片づいてしまうのだが。葉巻もそれに似てるといったら叱られるだろうか。昨夜はマンガ原作者の城さんとシガーバー。葉巻はタバコではない。モンテクリストNo.4 、たしかにウマかった(ただし翌日のにおいは難儀)。

12月21日(火)
 山梨から著者・里吉さんがきて版元へ同行。
 昔からの村の風景や営み、「古きよき」自然環境と社会環境で作った農産物を作りたいと里吉さんはいう。そうした農産物を受け入れる素地は都会にはある。ところがみんながそれをやると3000万人しか日本には住めない。外貨が稼げないのでビンボーになるというのが経済学の「定説」「常識」だ。ほんとうにそうなんかい?と常識に?マークをつける時期だと思うのだが、グローバルスタンダードだの市場経済だの言われると、エラソーに聞こえてしまう情けなさ。

12月18日(土)
 取材で山梨。土曜は中央道の下りは混むからと10時に出たら11時半には着いてしまった。13時の約束なのに…。今回、「濃い」趣味の人をHPで見つけて話を聞いているのだが、さまざまな趣味の細分化・専門化がこの20〜30年くらいで急速に進んだらしい。
 鉄道趣味もSLが全廃されるころまでは、「行って撮る」ことが王道だったそうだ。なーるほど、とおれはヒザを打ちましたね。無線だってそうだった。無線機を自作して7MHzか21MHzでレポートの交換をしたり、たまにアメリカやオーストラリアあたりと交信できてどきどきしたりが、かつての「趣味の無線」だったのだ。
 趣味の道具は物価の超・優等生である。安くなって性能は格段に向上した。それというのもマーケットが大きくなって開発競争、価格競争が進んだことが大きい。ギターも熱帯魚の水槽も、天体望遠鏡もクルマもバイクも自転車もスキーもみんなそう。それはそれで幸せなことだが、この道20〜30年のノウハウの詰まった「濃い人」をみんな(って誰ダ)大事にした方がいいと思うぞ。
 来週はひたすら原稿書きじゃ。

12月17日(金)
 午前中、歯医者。「28日まで予約で一杯」といわれても、ひるんでいられぬ。以前も通ったんだしそこを何とかと無理矢理たのんで出かける。結局、29日に抜歯することになった。
 だいたいおれは歯医者が苦手で、何度か気を失ったことがある。この歯医者は最後の砦みたいなところで、(おおむね)痛くないし優しいし腕はいいし受付や歯科衛生士のお姉さんは美人だし、なのだがそれでも敷居が高い。そんなこともいっとられんので、押し掛けるようにして診てもらった。希望は抜こうが引こうが痛みを止めてくれ、の一点である。
 書籍を1冊色校後、これから新宿で取材1件。とりあえず痛みが止まって助かった


12月16日(木)
 深夜、突然親知らずが痛みだした。昨夜、新大阪のホテルでのこと。フロントでバファリンもらって飲んで、気を紛らわせようとAVつけたけど、ぜっんぜん紛れず。うとうとしたら朝が来て、新大阪駅でカメラマンと別れて博多へ。撮影用商品(おつまみ)を集めて空路羽田。
 で、夜は事務所に編集M氏、ライターA氏にご足労願って先週末から各氏各地で入手したおつまみ選定大会(!)である。でも、おつまみって固いものが多いので、痛くてよく噛めないっす。ビールを飲んだらずきずきするし。

 昨日は早朝から伊丹へとんでレンタカーで淡路島。クルマを西明石で乗り捨ててJRで松井山手(といっても鉄道マニアしかわからんだろうな。京都府と奈良県と大阪府の境目あたり)で取材2件のあと新大阪泊。どっちもマニアックな取材で実におもろい。
 実に楽しかったのだが、親知らずが痛い痛い。

12月14日(火)
 いくつかの週刊誌コラムに出てしまったことだが、自衛隊機の墜落事故、市街地に落とさないために脱出もできず殉職してしまったとも考えられないか。電線を切ってしまって広い範囲で停電になってしまったが、バケツでウランを溶いたり、税金を思いっきり無駄遣いしたり、セクハラしたり、不祥事をひたすら隠したりという職業倫理がバッコする中、偉いことじゃとわしは思う。
 軍神として奉れ!なんてことはいわない。でも「停電したので作業中のデータがとんだ、どうしてくれる」式のおバカなコメントをとくとくと書くヤツがあらわれたり、それを喜んでメディアに乗せる阿呆をなんとかすることはできないものか!

12月12日(日)
 朝もはよからANAで秋田。でもってJR秋田駅からこまちとやまびこで盛岡回って日帰り。太平洋側は快晴、阿武隈山中で雲に包まれ、日本海側は雪(吹雪も)。「ゆきにつつまれたちほうのひとのくらしはたいへんだとおもいました」 子供の作文か。
 ともあれ、一日中交通機関に乗っているのもいいもんだ。なんせ「キヨスクのおつまみ」という取材とブツ収集だから取材といいわけしつつ飲んじゃって。持参した『坂の上の雲・3』(再読・司馬遼太郎・文春文庫)を早々に読み終えて、盛岡駅で『本田宗一郎の真実』(軍司貞則・講談社文庫)を買って、東京駅〜新宿間の中央線内で読了。なかなか充実の一日(ホントか?)。

12月11日(土)
 2件分の取材と企画の下見を兼ねて昨日は伊東。仲間内の忘年会が今日だと思っていたのだが、実は昨夜。大ボケをカマしつつ今年も暮れゆく。

12月8日(水)
 朝、クルマのエンジンをかけるとカーラジオから『Starting over』。時の経つのは早いものでジョン・レノンが斃れてから19年。

12月6日(月)
「ニュース雑誌は潰れない」といった人がいたが、まことに世の中は次から次へと「出来事」がわきおこってくるもんだ、と感嘆。とはいえふと気がつけばワイドショーをみるのが最近つらくなっていて、深夜もほとんど毎日J-SPORTS、ESPN、あるいはその録画とサッカー観戦にとられているものだから「世の中の動き」は、日々の新聞とポータルサイトのヘッドラインからしか入ってこない。それでも何とかなっている(とはいえ、自衛隊機が墜ちて停電したのはずいぶん後まで知らなかった。この件、感想があるのだが忙しいからまた今度)。

 タバコをやめたのより、長く購読していたコミック誌を買わなくなった感覚、に近い。(メディアに)浸かっているクセが抜けるとでもいうか。いささか強引だがおれがそうなのだからみんなそうだ。こういう人がきっと増えてるから出版不況なんだぁ!!!。


12月5日(日)
 お受験ママを阿呆であると決めつけるのは簡単である。曰く、ものを考えていない、自身の価値観を持っていない、一般教養がない、話し相手がいない、目標がほかにない、のないないずくしをいっても何をいまさらな話である。やらせておけばいいのである。ただ一点、こんなことで大きくなったガキどもが官僚になってわしら日本国民の行く末を決めたり、あっちこっちで職業意識のモラルハザードが起こることがいかん。製造業の空洞化がますます進んだりして税収が激減することがいかん。

 教育の目的、というのをもちっと考えてみてはくれんかね。
 濃淡の遍在する善意とピンポイントの悪意、そしてあまねく存在する偶然とで世の中できあがってことを肌身で知ることがオトナってことじゃないか、その世の中へ出ていくプロセスをどう学ぶかだとわしは愚考するのだが。
 以下、天下御免の無責任改革案。
 受験される学校がもうすこし知恵を使ってもいいのではないか。単に親を面接したって対策を立てまくって受験するのだからしょうがないのである。いつかも書いたのだが、親のグループ面接がおもしろそうだ。適当にグループ分けして、「子供がいじめにあったら」「学校でケガしたら」「援助交際したら」などで討論させる。
 かつては入社試験でこの手の面接があったそうだが、わしゃ経験がないのでよくしらん。会社なら自分たちの命運を握る将来の人材の選抜だが、学校がやらない本音は、数年を問題おこさず授業料払って卒業してれればそれでよしだからに違いないと邪推している。
 あとおもしろそうなのは選別の基準の公開である。70名募集なら、親の年収から40名、親の地位・職業から10名、従来通り子供を試験して10名、いちばん近所から5名、とにかくクジで5名、とか。

12月2日(木)
「目ん玉売らんかい、腎臓売らんかい」といわれるくらいなら、個人情報自由に売ります、買ってください、という人がいてもおかしくはない。フツーの人の場合、買ってくださいといったのでは100円にもならん。逆に、部分的に切り売りして値段が付く、つまり切り売りすることが(あくまで事実上)認知されているのが有名人なんだな。
 たとえば、
住所、氏名、年齢、性別、職業、電話番号、生年月日、血液型、学歴、受験歴、検挙歴、賞罰、職歴、出身地、持ち家・借家の別、宗教、国籍、両親の氏名・経歴、家族構成、年収、年商、預貯金など金融資産額、借入金額、借入先、取引先、取引銀行、加入している生命保険会社と額、同じく火災保険など損保、乗っている車、車歴、所有しているカード、使っているパソコン、メールアドレス、資格、書道の段位、剣道の段位、通勤経路、通勤時間、身長、体重、身体各部のサイズ、背筋力、血圧、体脂肪率、中性脂肪の数値、ガンマGTPほか肝機能の数値、握力、視力、病歴、既往症、アレルギー、結婚歴、恋愛歴、好きな食べ物、好きな女性のタイプ、好きな体位、所要時間、初体験以来のセックス回数とその変遷、初体験以来の年間のオナニー回数とその変遷など。

 上記についておれの個人情報を全部知っている人はいない(おれもわからん)。売りたくもないが、ぜんぶまとめてHow much? あまり安いより高いほうが嬉しい、資本主義社会の構成員たるおれである。

 夕方までに1本原稿を送って、明朝までにもう1本(1ページだけど)。書こうとしているのだが、ついダラダラとこういうゼニにならないものから書いてしまった。明日は某社企画会議があるので書籍企画を1発書かにゃならん。だが、そもそも暇なときって駄文(日記)も書く気がおこらん。それってただの逃避か。


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